解説:
自由奔放な青年が重度の自閉症の兄と出会って心を開き、忘れていた愛情を取り戻して行く過程を描いた心暖まる感動のロード・ムービー。高級外車のディー ラーをしているチャーリー(クルーズ)の元に、自分を勘当した父の訃報が届く。遺産目当てに故郷に戻った彼だったが遺産の300万ドルは見た事もない自閉 症の兄、レイモンド(ホフマン)の手に渡る事を聞かされる。なんとか金を物にしようとチャーリーは施設にいるレイモンドを誘拐まがいに連れ出し、ロスに戻 ろうとするのだったが……。T・クルーズとD・ホフマン(アカデミー主演賞受賞)の演技が成功のカギをがっちりと握り、徐々に心を交わして行く展開とエピ ソードの絶妙さ(同、オリジナル脚本賞受賞)。それらををつなぎ合わせる音楽のみで進む美しいシーンの数々。撮影開始前まで監督の交替劇が続き、スピル バーグの名も挙がったものの、決定したレヴィンソン監督の持つ力量のおかげで(同、監督賞受賞)80年代を代表する作品に仕上がり(同、作品賞受賞)、そ の感動はいつまでも心に残るものになっている。数々の名シーンももちろんいいが、なんと言ってもエンド・クレジットと共に写し出される、二人だけしか共有 することが出来ない旅の写真が醸し出す切なさが一番であった。H・ジマーの音楽も心に染みる。尚、レヴィンソン監督がワン・シーン出演もしている。
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