解説:
舞台は革命直前の、1788~9年フランス。マルキ(侯爵)は、些細な罪でバスティーユに投獄されていた。物語は、革命軍の指導者の脱獄と、それを助けよ うとする人々。そしてマルキの作品に関わる人々で構成される。全編マペットというか、着ぐるみの動物キャラクターで演じられた作品。とは言っても、決して 子供向けのコメディなどではなく、大人向けのシュールな造形美を楽しめる作品となっている。かの有名なマルキ・ド・サドが、愛と自由を求める物静かで詩的 な青年作家として描かれ、そして第二の主人公として彼自身のペニス(オイオイ、マジかよ)が、独立した一個の人格を持つキャラクターとして登場する。“サ ド”という名が、マルキ以外の人の手によって作品が出版されたためについた偽名で、しかも差出人住所不明の略(S.A.D.E.)だっただなんて……。作 品のテーマは“エロスは死よりも強し”かな。1989年度東京国際ファンタスティック映画祭参加作品でした。
|