解説:
「キリング・フィールド」で深い感動を与えてくれたパットナム&ジョフィによる一大スペクタクル巨編。1750年、ローマ法王の元、キリスト教の教えを世界全土に広めるために設立されたイエズス会の神父ガブリエル(アイアンズ)は、南米奥地のパラナ川上流、イグアスの滝にやってくる。彼は滝の上の土地に住むインディオ達に神の教えを伝道するため、そそり立つ滝を這い上がり、決死の覚悟の末、深い信頼を得る。一方、インディオ達を捕まえては売り飛ばしていた奴隷商人メンドーサ(デ・ニーロ)は弟を殺した罪に苛まれていたが、ガブリエルと共に伝道の道に入り、インディオ達と和解、心静かな生活を送るのだった。しかしポルトガル政府がその地の征服を企て、大量の政府軍を送り込んだ事から神父側との壮絶な戦いが始まってしまうのだった。様々な利害関係が交錯する中、自らの行いも植民地支配の一端を担っていることに気付きながらも布教という形で信念を貫こうとするガブリエル神父の姿が大きな感動を呼び起こす、カンヌ映画祭グランプリ受賞作。まだハリウッドで活躍する以前のJ・アイアンズと、脂の乗り切ったデ・ニーロの演技も冴え渡り、デヴィッド・リーン監督の一連の作品を手掛けたR・ボルトの脚本の奥深さにE・モリコーネの音楽が絶妙な効果を上げている点も見逃すにはいられない所のひとつ。また、アカデミー撮影賞を受賞しているだけあってイグアスの滝のシーンなどはまさに圧巻! 現地でのロケーションが見事に効いている。是非とも大画面で見る事をお勧めする作品である。尚、「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソンがガブリエルと行動を共にする神父役で出演している。
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